あけましておめでとうございます。
皆さんは、新しい年の初めを誰と迎えましたか?
家族と友人たちと。一人の人もいるかもしれません。
ひょっとして、ロボットと共に迎えた人もいるかも・・・。
昨年末グーグルからリリースされた「Ok Google!」があなたのそばにいたかも。
ロポットというと古い私は「アトム」を思い起こします。
しかし、ロボットにはいろんな形があります。
実はスマホもロボットの一種なんです。
人間の形をしていませんが「Hey Siri」と声をかけるといろいろと対応してくれます。
このようなロボットは「人工知能(AI)」という言葉でひとくくりにされるようになりました。
知らず知らずのうちに、生活の中にAIが入ってきて、AIと共に暮らす社会がすでに実現されたのです。
この社会がどこに進むのか、様々な話が飛び交っています。
不安なことをいう人もいます。
今から300年前、産業革命が起きた時代には機織りなどの手作りに関わっていた人が、機械式の機織り工場に仕事を奪われました。
工場に仕事を奪われた労働者が機械を壊しに行きました。
お金持ちが増えましたが、それ以上に貧しい人が増えました。
そして、革命と戦争が起こりました。
第一次、第二次の世界大戦がその一つです。
今はロシアに変わりましたがソビエトという国、そしてお隣の中国共産党という存在も、産業革命という時代の申し子でもありました。
はたして人工知能は、私たちを幸せにしてくれるのでしょうか。
シンギュラリティ(技術的特異点)によって文明が崩壊し、ターミネーターⅠのような時代が来るという人までいます。
しかし、恐れることはありません。
人類は大きな変化の波を乗り越えて、今があるからです。
そして、時代の変化はどのようなものかを知っておくことは、自分は乗りこえられるという自信につながるでしょう。
そのためには「人工知能の時代とは何か」をよく知ることです。
人工知能とは、情報産業の深化で進んできました。
これは情報革命の時代なのです。
産業革命は製造業の生産性を上げる時代でした。
情報革命はサービス業の生産性を上げることなのです。
これか分かると時代が見えてきます。
つまり、私たちの会社の仕事です。
私たちノブレスグループこそ、情報革命の時代を生きて、サービス業の高度化に進んでいこうとしているのです。
実は物流事業は一足先に進んでいます。
デジタルタコメーター、ドライブレコーダーやロジこんぱすなど、トラックに様々なものが搭載され、トラック輸送の安全管理を計測しています。
また、ISOなど仕事の合理化を進めるためのオペレーションが導入され、パソコンで業務内容について徹底管理される仕組みが整いはじめています。
今後、倉庫の事業のAIによる合理化、商品事故撲滅のためのオペレーションの改善が生産性の向上が市場競争力となって、会社の業績を上げていくでしょう。
それに比べて観光事業の方はまだまだです。
でも心配はいりません。
物流事業で取り組んだノウハウを活かして、観光事業でも地道な努力を積み重ねていくことが大切です。
ところで、人工知能の時代に働く私たちの仕事は今後、どのように変わっていくのでしょうか。
この現在の動き情報革命の時代を50年前に予測した人がいます。
ドラッカーという経営学の神様です。
その人はこれからはナレッジ・ワーカー「知識労働者の時代」といいました。
ドラッカーは知識労働者の仕事についてこう定義しています。
「成果を上げることだ」
成果を上げる、とはどういうことでしょうか。
機械的に働かされることや機械的に作業することは、成果をあげることではありません。
“フロントに立ってお客さまが来られるのを待つ”は成果ではありません。
それだけなら、数年でそれに対応したAIシステムが発売され、仕事はなくなるだろうと思います。
しかし「成果をあげる人」の仕事はなくなりません。
では成果を上げる人、知識労働者の働き方とはどんなものでしょうか。
同じ時代に知識労働者に仕事の運び方、進め方を提案した人がいます。
梅棹忠夫という文化人類学の研究者です。
梅棹先生の「知的生産の技術」という本は1967年に出版されました。ドラッカーと同じ時代50年前です。
しかし、今も書店に並んでおり、読み継がれています。
1967年というと電話はあるけれど、FAXはありません。
ようやく1台50万円の電卓が発売されはじめていたくらいで、パソコンはありません。
もちろん、インターネットはありません。
この本では利用される「情報交換の技術」は「手紙」です。
しかし、手紙であっても「情報交換がいかに重要か」について解説しています。
この本に書かれている知識労働者の働き方は基本的に変わらないと思います。
地域の魅力やおいしい情報をお客さまにお渡しするため様々な本を読むこと、
調査に出ること、調査した内容を自分なりにストック分析すること、
来られたお客さまにお礼の手紙を出すこと。
そして発信すること。
などなど、この本に書かれていることをきちんと取り組めば、知識労働者として生きる技術を身につけられるでしょう。
これからを生きる自分は知識労働者であると自覚して読むと、働き方の基本を教えてくれる素晴らしい一冊です。
しかも値段が864円と安い!中古なら11円で買えます。
みなさん、今年の一冊にいかがでしょうか。
2018年1月1日
川井 徳子