ユネスコ 無形文化遺産の新たな候補に「伝統的な木造建造物の修理技術」が有力と報道されました

2018年03月23日


私のソーシャル・サイエンス・ラボ 専務理事としての活動として、「伝統建築構法並びに伝統的な建築の関連する匠の技術」をユネスコ無形文化遺産に登録するプロジェクトをこの数年支援してきました。

 

2017年624日(土)には、奈良春日野国際フォーラム甍 ~IRAKA~能楽ホールにて講演&シンポジウム「日本の伝統建築技術と木の文化の未来」を主催しています。

講演&シンポジウム「日本の伝統建築技術と木の文化の未来」

 

このシンポジウムが事前の参加申し込み段階で500人の定員が満席となったことから、一般の方の関心も高く、ユネスコ無形文化遺産への登録に向けてプロジェクトの手ごたえを感じていましたが、先月27日に共同通信社より、ユネスコ 無形文化遺産の新たな候補に「伝統的な木造建造物の修理技術」が有力との報道が発表されました。

宮大工の技術、有力候補に ユネスコ無形文化遺産(MSNニュース)

 

「伝統建築構法並びに伝統的な建築の関連する匠の技術」をユネスコ無形文化遺産に登録するプロジェクトは「伝統木造技術文化遺産準備会」が2014年に発足し「一般社団法人 伝統を未来につなげる会」を中心に様々な活動を行ってきました。

ソーシャル・サイエンス・ラボも伝統木造建築技術をとりまく環境が、高度経済成長期以降の産業構造の変化や、日本人の価値観・生活スタイルの変化などにより厳しさを増していることに問題提起を行い、伝統的な木造技術の継承と日本的景観の保護を目標として活動に参画しています。

 

2018年4月からはプロジェクトの体制を再編成し、各ゼネコン、ハウスメーカー、建築・土木・造園の関係組合、工務店などの全ステークホルダーに働きかけるアクションも加え、「伝統構法は世界に誇る日本の宝である」という認識の高まりと、様々な経済的波及効果を期待し、活動を拡大します。

ターゲットは東京オリンピック開催の2020年です。

 

その一環として2018428日(土)に明治大学アカデミーホールにて「普請文化フォーラム2018~未来へ継承すべき伝統建築・石垣普請・造園技術」を開催することになりました。

ソーシャル・サイエンス・ラボは共催にて参画します。

 

普請文化フォーラム2018~未来へ継承すべき伝統建築・石垣普請・造園技術チラシダウンロード(PDF:3.82MB)

 

「普請」は元来仏教用語で、神社仏閣の作事、また道路や架橋工事など、住民総出で行う公共事業や共同作業の意味として用いられるようになりました。「普く(あまね)く」とは人々に請(こ)う、つまり、社会基盤を地域住民で作り維持していく文化が「普請文化」です。

 

私自身、今後日本庭園に関する研究と論文の作成を予定しています。伝統木造建築だけではなく、日本庭園もこの「普請文化」であり、日本が世界に対して認知と感心を高め、持続させていくべき価値であると私は考えています。