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2017年12月08日(金)

「オルタナティブ・ファクト」がはびこる日本の現実を知る

日本女性が英国の科学雑誌ネイチャーから表彰されました。

 

その内容は女性特有の病い「子宮癌とそのワクチンの有効性」に関する研究です。最近、フェイクニュースと言われる言葉がありますが、それに近い事象を「オルタナティブ・ファクト」といいます。その「オルタナティブ・ファクト」の大キャンペーンによって子宮癌ワクチンの摂取に大きな影響を与えた問題についての検証です。

 

日本の現状について、WHOはグローバルな公衆衛生の問題として事態を重く見て、2度にわたり日本を名指しして警告を発しています。

というのも、国内の子宮頸がんワクチン接種率は70%台から1%未満にまで低下したからです。

 

若い頃、長期にわたり婦人科に入院した経験が私にはあります。その時に出会った患者さん。20代の妊婦さんでした。

妊娠初期に子宮頸がんが見つかり、手術するかどうか悩まれました。できる限り子供を産みたいので、手術を先に延ばしました。しかし、若さ故に進行が早く妊娠5ヶ月まで待って子宮全摘手術することに。
赤ちゃんは残念ながらだめでした。

 

国内では子宮癌にかかる人は年間1万人、亡くなる方は3,000人といわれています。治療費も数百億を超えるでしょう。
これは国民の命、生まれてくる子供の命の話であると同時に高額な負担にあえぐ社会保障費という意味で、すべての国民に関わる問題なのです。

 

しかし、日本国内では村中さんの受賞が全く報道されません。
科学的合理性に基づく真実を理解すると同時に「オルタナティブ・ファクト」がはびこる日本という社会の現実を知るためにも、皆さんぜひ、この記事を読んでください。

 

「医師とメディア人」二足のわらじを履く理由 あの英誌「ネイチャー」が選んだ日本人女医(東洋経済オンライン 2017.12.01)

 

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